isono55’s diary

大好きな森田さんとV6のこと。日常のアレコレ。

『夜中に犬に起こった奇妙な事件』感想だらり。


舞台『夜中に犬に起こった奇妙な事件』が千秋楽を迎えてから
まだ1週間も経ってないのに。
早くも…寂しい…。
ところで、『鉈切り丸』のDVDを物凄く待ち望んでいるのですが…。



こんばんは。



えーと…
とりあえず記憶がサラサラと薄れていってしまわないうちに、
その『夜中に犬に起こった奇妙な事件』の感想的なものをー。


細々と綴ってると大変なことになりそうなので、
ざっくりとポイントのみの感想を…と思ったのに。
なんでか結構長くなってしまった…うーむ。


そんなダラダラと綴ったものを、以下に。


何回も見たくせに、セリフが超怪しいうろ覚えだったりしますけど、
そこんとこは生ぬるい目で見てやってください…。






















舞台『夜中に犬に起こった奇妙な事件』



【セットとか】


板張りの床に、正面の壁にはドアと黒板。
左右には窓や引き戸やロッカーや用具入れ。
…と、セットはマルッと教室内の風景
そして机や椅子を使って場面を表現するっていう今回の舞台。
パッと見、森田さんが前に主演した舞台の金閣寺と似てるようにも思えるけど、
私には2つが全然違って感じられました〜。


なんていうか…
金閣寺で机や光や影を使って表現されてた風景は、とても絵画的だったと思う。
まるで小説の押絵のような美しさというかー。
場面転換もとても美しかった。


で、『夜中に犬に起こった奇妙な事件』では
そのまんま舞台上に見立てられてる…ような。
「教室でやってる劇」的な気配がヒシヒシというか、何というか。
(まぁ実際にみんなで舞台をやってる、という設定だったわけだし)
だから出演者全員でワーッと動く場面転換は、見ててとても楽しかった!
そのせいか、『夜中に〜』では「教室」という空間をずっと感じてた気がする。


どちらの舞台でも「電車内」のシーンが登場するけど、
その表現の違いだけ見ても舞台って凄いなぁ楽しいなぁと思いました〜。



あと、その2つの舞台を動かしてた「人」の違いも楽しかった。


金閣寺では、大駱駝艦の人たちは
基本的に「人」ではない存在に思えることが多かった気が。


『夜中に犬に起こった奇妙な事件』での人たちは、
日常的なシーンはもちろん…
幸人くんの宇宙遊泳を支える姿も「人」に感じられたし、
駅で幸人くんをモミクチャにする情報のような姿も「人」を感じた。
久保酎吉さんが椅子の上にボーボのカゴを乗っけるのを見届けてから
みんなが揃って動き出す瞬間とか、なんだか好きだった。


「みんなで教室でやってる劇」
「みんなが幸人くんの日常や冒険を見守ってる」
っていう気配が、どうにも温かくて。時折切なくて。
すごく好きでしたー。





【ピアノ】


ピアノ(演奏:かみむら周平さん)が素敵。


…って、相当ざっくりな感想ですが。
ピアノの音色が、ほんと素敵だった!


1幕2幕が始まるとこなんかも好きだったけど…
特に印象的だったのは、お母さん(高岡早紀さん)とのシーンで流れてたピアノかなぁ。
お母さんとの思い出や、お母さんからの手紙の背後に流れるメロディ。
お母さんの嘆きと優しいピアノが合わさって、どうしようもなく悲しくなった。


ほんとに素敵だったなぁ…。
サントラを発売してほしかった!
もしくは、私に楽譜を書き起こせる能力があったら良かった!(無茶を言う)





【幸人くんとお父さん】


幸人くんお父さん(入江雅人さん)の会話は…
優しかったり、微笑ましかったり、悲しかったり。
好きなやりとりが凄く多かった!


笑える…わけではないけど、
お父さんの返しに少し「ふふっ」ってなるとことか。

父「とにかく、他人のことに首つっこまないようにな」
幸「僕、ミロを殺した犯人を捕まえる!
父「父さんの話聞いてたか?


父「金なんて持ってないだろ!」
幸「持ってる!お父さんのカード盗んだ!
父「何やってんだお前!

心配丸出しなお父さんと、必死な幸人くんのやりとりとか。

幸「近寄らないで!」
父「お前には無理だ」
幸「僕はすごく頑張ってる!


父「アーミーナイフはどうした?なくしたのか?
幸「ポケットに入ってる!」
父「どこ?」
幸「こーこ!(ズボンのポケットを叩く)」


父「左に行くんだ」
幸「分かってる
父「地下鉄は大きな音が出るぞ」
幸「分かってる!
父「お前絶対怖がるよ
幸「分 か っ て る !!

あとは…
口癖は『悪気はなかった』ですね、っていう勢いのお父さんだけど。
その幸人くんに向けるまっしぐらな思いが溢れる言葉は、
どれも痛くて、どれも素敵だったなぁ…。

生きるって大変だろう?
本当のことを話すのは、いつだってすごく辛い


「幸人…なんで。なんで父さんにそんなものを向ける?」
ふざけんな!あいつは俺の息子だから!!
「また来るから!約束するから!幸人!」


…とか。とか。
「あいつは俺の息子だから!」と叫んでくれるお父さんがいることは、
幸せなことなんじゃないかなぁ…とさえ思ってしまった〜。





【幸人くんと瑛子先生】


幸人くん瑛子先生(小島聖さん)のやりとりは、1つ1つがどれも可愛らしくて微笑ましくて。
あぁ…もう…
瑛子先生好き!!
幸人くんが瑛子先生相手にはちょっと甘えるような態度を見せるのも、
瑛子先生が幸人くんをワクワク見守ってるのも、大好きでした〜。

瑛「幸人くん、調子はどう?」
幸「すごくいい!
 学校に来る途中、赤い車と連続ですれ違った!
瑛「すごーい!!
幸「だから今日はいい日だよ!
 僕、ミロを殺した犯人を探す!
 今日はいい日だから、何か計画を立てたり、実行したりするのにいい!」


幸「僕はミロを殺した犯人を探し出す!一大プロジェクトだよ!
 …お父さんはダメって言ったけど
瑛「そうなの?
幸「……僕は、いつでも言われたことをするわけじゃない
瑛「どうして?
幸「何かしろって言われても、どうしてなのかは教えてはくれないから。
 例えば静かにしろって言っても、いつまで静かにすればいいのか教えてはくれないでしょ?」
瑛「そうね……でも、お父さんの言うことは聞いた方がいいんじゃない?」
幸「……」
瑛「…ね?
幸「…知らなーい


この「知らない」の幸人くんは、色んな変化を見せてて楽しかった!
知らないっ!」って抱えた膝に顔を埋めてたこともあったし。
大阪公演では確か、結構なグンニャリぶりで
椅子の背もたれに寄りかかってふてくされてましたー。



あと…瑛子先生とのシーンは、最後のあたりもとても好き。
瑛子先生の声が優しくて、温かくて、正しい響きで、ウットリした。

幸「僕、瑛子先生のうちに住もうかな!
 そうすれば、自分のものが全部しまえる部屋がもらえるし、知らない人に会わなくてすむ!」
瑛「…それはダメよ
幸「…どうして?…僕はうるさすぎて、時々あつかいにくくなるから?
瑛「そうじゃない。私はお母さんじゃないからよ
幸「…うんー…」
瑛「それはとても大切なことなの。…分かるでしょう?幸人くん
幸「……どうかなー…


瑛子先生の微笑みと声の優しさと、
幸人くんが「僕はうるさすぎて、時々あつかいにくくなるから?」と尋ねる苦しさと、
「どうかなー…」の声色が。ジワジワと愛おしく感じました〜。





【お父さんからのプレゼント】


お父さん幸人くんへ、本気だと分かってもらうために贈るプレゼント。
これを段ボール箱に入れてお父さんが持ってくるわけですが…
私は原作本を読んでいたので、このプレゼントが子犬だとは知っていて。
ここまでに登場した犬2匹(ミロとゲンタ)とネズミ(ボーボ)は、どれもぬいぐるみで。
なので当然、
ここでもぬいぐるみが登場すると、
疑いもせず、
見ていたら…


本 物 の 子 犬 が 現 れ た 。


ほんとにゴールデンレトリバーの子犬が出現したーーー!!!


これがまた…
初日公演では、キレイに幸人くんの方に向かって
箱の中からヒョッコリ顔を出して
あの瞬間、会場中に溢れた
歓声とも悲鳴とも溜息ともつかない声を…私は忘れないよ…。


幸人くんの顔を舐めたり、シッポをブンブン振ったりしてる
ベージュ色の子犬を抱える幸人くんの可愛さよ…。
「名前決めていい」とお父さんに言われて、
…ベージュ!ベージュにする!」と嬉しそうに宣言する幸人くんの可愛さよ…。
時間を知らせるタイマーの音が鳴って、
ベージュを抱えたままお父さんを見上げる幸人くんの可愛さよ…。
そしてベージュを離したくない!とばかりに、お父さんに背を向けて
ベージュを抱きしめる幸人くんの可愛さよ…嗚呼可愛さよ…。


あ り が と う 。


あの一連の流れは、
Eテレのおやすみ前にぴったりの5分番組『2355』で放送すると良いと思います。
なごみすぎて、きっと溶けるように眠りにつける!
もしくは可愛さに興奮して眠れない。





【舞台の終わり】


幸人くん自身が言うところの
うるさくて、時々あつかいにくい」っていうのが変わるわけでもなく。
「幸せに暮らしましたとさ」が訪れたわけでもなく。
「めでたしめでたし」ということでもない。
…っていう、この舞台の終わり。



でも。
こいつの取り柄はこれしかないんですよ!
どんだけバカなんだよ、お前は…
と、どこか追い詰められたような心配と愛情を幸人くんに注いでいたお父さんが、
時間はいくらかかったっていい
今よりもきっと良くなる
っていうような言葉を幸人くんに語りかけ。


お父さんと一緒にいる幸人くんを見て疎外感を覚え、
瑛子先生と「はじめまして」だったお母さんは、
幸人くんの苦しみを救い上げる瑛子先生を初めて目撃して。
そして幸人くんとお父さんの橋渡しをしつつ、お父さんと微笑み合い。



そしてそして。

幸「僕はミロを殺した犯人を見つけた。
 ひとりで東京に行った。
 そしてお母さんを見つけた。勇気があった。
 それに、本を書いた」
瑛「それを私は読んだ。私たちはそれをお芝居にした」

それって、僕には何でもできるってことじゃない?


何でもできるってことじゃない?瑛子先生!


なんでも、できるってことじゃない?


…と言う幸人くん。



幸人くんは、これまでに「自分のできないこと」は十分把握していたように思えるので。
この幸人くんの発言が楽観的だなぁとは、私は感じなかった。


自分に今できないことがあると分かった上で、できたことを1つずつ挙げて、
それって、何でもできるってことじゃない?
と、これからを見つめる幸人くん。


噛みしめるような表情でその言葉に頷いて、
幸人くんに微笑む瑛子先生


「めでたし」な感じではないけど…
それぞれの人たちが最後に見せた姿には、
勇気や希望の光がホンワリ灯ってるように!思えました!





【カーテンコール】


幸人くんが解いた、数学検定準1級の問題

『以下を証明せよ。
 3辺の長さがそれぞれ (n^2(nの2乗)+1),(n^2-1),2n
 (n>1)で表される三角形は直角三角形である』

の解答を歌とダンスを交えつつ披露!
…というカーテンコール。


瑛子先生がしっかり前フリをしてる上に、
原作本にも同じような仕掛けが付録として載ってる…にも関わらず、
私は全く予想してませんでした…こんな素敵なカーテンコールが用意されてるなんて!
だから初日公演で、キラキラのパーカーを着た幸人くんが出てきた時には
普通に「あれ、なんかキラキラになって出てきたけどなんだろう?」って思いました…まんまと。



「90分間で10問解くところを、30分間うめいていたので
1問を6分で解かなければいけなかった」
…てな感じの説明を幸人くんがして、後ろの黒板には「06:00:00」のカウントが。
これが、僕の書いた答えです!
という幸人くんの言葉と共に、舞台袖から飛び出してきて1列に並ぶ出演者の面々。


中腰姿勢で並んで、笑顔で幸人くんに手を差し出すみんな
その手に、走りながら順番にタッチしていく幸人くん


幸人くんは大好きな宇宙…っぽい柄と、大好きなメタルカラーの服を着て。
周りのみんなは、幸人くんの大好きな赤色の服を着て。


好きな証明問題の解答を、一生懸命に披露するご機嫌な幸人くん
そんな幸人くんを笑顔で見守り、応援して、盛り上げる、周囲の人たち


幸人くんの大好きと、幸人くんへの愛情が詰まった
まるで夢のように幸せな光景で。
凄く楽しいのに、私はいつも泣きそうにもなりました〜。



ステージ向かって右側にいる女性陣は、もう可愛くて可愛くて!!
ニッコニコのノリノリで歌い踊る姿にデレデレになりましたよ…。
シルクハットを被ってる瑛子先生なんて、もっとじっくり拝みたかったー!


そして向かって左側にいる男性陣
これまた何とも言えないような、陽気な面白さで!
ボックスステップで揃ってうごめく姿とか、ちょっと目が離せない楽しさでした〜。
(でもやっぱり幸人くんを追ってしまう私の目)


ダンサーな3人(宮菜穂子さん、柴一平さん、安田栄徳さん)の踊りも、
そこだけ抜き出して見たい感じでした…
とても素敵な数学ダンスだったように思うのだけど!



で。
物凄い勢いで証明問題の解答を述べる幸人くんですよ。
アイドル顔負け(ん?)のダンス&存在感を披露する幸人くんですよ。


素 敵 す ぎ た 。


前回の舞台『鉈切り丸』でブラブラ踊る範頼さんを見て、
こうなったら次の舞台では歌っちゃうか!とか妄想したものの…
まさかこんなにガッツリ踊って歌って(語って?)を見せてもらえるとは…!


幸人くんの夢の世界を見せてもらってるような、
役柄と役者さんが混在するようなスペシャルな世界を見せてもらってるような。
とにかくほんとに幸せなカーテンコールでした!
大好き!!
あの6分間を『みんなのうた』にしてほしい!(時間オーバー)