isono55’s diary

大好きな森田さんとV6のこと。日常のアレコレ。

『ビニールの城』についてダラダラとー。


気が付いたら9月も中旬に入っててビックリです。



こんばんは。



色々と…いろっいろと盛り上がりたいことはあるんですけど、
まだしばらくは『ビニールの城』に浸らせてくれ〜!
ってことで、浸っていました。
『ビニールの城』を反芻し続けてました。ここ2週間ほど。


今回の舞台は収録が入ったという話も聞かないし
きっと映像に残ることはないんだろう…と思うと、
時間とともにどうしても薄れていってしまう記憶が名残惜しくて。
あんまり思い出してると逆に記憶の中で別物になってしまうかなぁと気になりながらも
反芻することを止められませんでした〜。


楽しかったなぁ…『ビニールの城』の世界。



えーと、そんなこんなで。
自分が見た公演の記憶を辿りながら、
感じたことや好きだったシーンを以下にああだこうだ書き連ねてみましたー。
ストーリーやセリフの意味を探ったとかいうわけじゃ全くないので、
ダラダラと長いけど深さはないです。
あと、ラクガキがちょいちょい挟まってます。


今後DVD化されたりする予定があるわけでもないですし、
舞台を実際に見た方はくれぐれもお気を付けて。
ご自分の記憶を!何よりも大切に!



































第一章 何故、彼はそれを探す気になったか
第二章 覚めた彼がそこに見たもの
第三章 話さなくなった人形に彼が話しかけられるものはなにか
第四章 夕方への道はここなのか?
第五章 彼はいま彼女といるのに―

…という全部で五章構成の『ビニールの城』
この各章のタイトルが戯曲を読んだ時からとても好きだったので、
舞台上で見せてくれたのは嬉しかった〜。



朝顔森田剛


人形を「遠くから来た人」と呼んで慈しみ、
生身の人間とは向き合えず遠ざける朝顔さん。
倉庫の管理人さん(石井愃一)に名乗る時の
あさがお」っていうホワッとした声のトーンが好きでしたー。




そんなことありませんわよ
…と言いながらも、腹話術さんへの応対のこの雑さよ…。
ごめんな、君」と人形に語りかけた時との差がね…。



第一章でいうと…

朝顔違うんだ、夕ちゃん!
管理人 「さあ、こいつの夢を押し返せ!」
人形たち 「電気ブランの飲み過ぎですよ!」
朝顔そうじゃないんだ、夕ちゃあん!
人形たち 「電気ブランの飲み過ぎだって!あははははは!」

ココのやりとりが、ちょっとクセになるテンポの良さで耳に残った。
舞台上を右往左往する朝顔さんの動きがまたたまらんのですよ…。


夕ちゃーーーん!!
と叫びながら勢い良く電気ブランをあおって、
感電したかのように勢い良く吹き出す朝顔さん…からのバリバリノリノリの舞台の幕開け。
最高にワクワクしました…!



第三章で腹話術師3人+人形3体に語り倒すところは、
聞いてて不思議とドキリとする言葉がいっぱいで大好きでした。

「もしも、君が遠くへ行ってしまうようなことがあったらばだよ、夕ちゃん。
 夕ちゃん、どうして、君に会うことが出来るかと」
「聞いてくれ、ザラ紙の人体!」
「忘れてないぞ、どんなまばゆい思想だって」
「君らが水に没す時、この僕も水に沈もう」
「今言った僕の声を、いつまでもおぼえていなよ」

上げればキリがないほどですけど、「夕ちゃん。夕ちゃん」と続ける瞬間なんかは
頼りなさげな声に無性に悲しくなったなぁ…。


君らが水に没す時、この僕も水に沈もう」あたりは
目も顔も真っ赤にするほどの深刻さで言ってたもんだから、聞いてた人たちは
水にこうした子が浸かった時、共に心中してやると言ったあの奇妙な腹話術師」と解釈したのに。



当の本人は水中メガネ水泳帽を用意した!っていうね…
な ん だ そ れ 。
しかもすっごく得意気に装着するし…
そりゃさすがの引田も「なんだか、おまえに遊び道具を提供しちゃったみたい」ってなりますよ…。


『ビニールの城』の沖積舎から出てる戯曲本に、
この↑格好をした石橋蓮司さんの舞台写真が載っていて。
写真が白黒っていうことによる強めの陰影も相まって、私は最初に見た時
変態だーーー!!!
…と仰け反ったのですが。
実際にストーリー上で目にしてみると、そんなに変態感はなかった…。(何を期待していたのか)
むしろ素敵なスイマー感すらありました。



そんなスイマー姿で朗々と語る、第四章の水槽の上での演説。
言葉に込める熱が、緩急が、響きの強さがどんどん増していく演説に、
私は息を止める勢いで聞き入りましたー。
いわゆる普段サラッと口にする「カッコ良い」とは違うと思うんだけど…

「しかし!遠くから来た人よ!
 きみらは、はるけき物体の彼方から、なにゆえにここに来た!」
「ならば!ならばだ!
 きみたちはどうして現れた!
 愛玩物以外の目的で、なぜ、遠くからやってきたんだ!」

と命を燃やしているように熱く声を張り上げる朝顔さんは
格好も主張も「気違い朝顔」で「いたたまれない」だろうが何だろうが、
とてもカッコ良かった。素敵だった。



そして、第五章でのモモちゃんとのやりとり。

「ビニール越しが好きならば、このビニールさわってこう言います。この封印。
 また開けられなかったよ、遠くから来た人と」

ビニールを間に挟んで手を触れ合わせようとする2人。
この光景と、静かに響く声と、静かな間が忘れられない。



あとは… 歌 が 。
朝顔さんは劇中で3回ほど歌いましたけど、
歌が最高に素敵でした…。
V6の時の歌声とは違う響きの森田さんの声も、
朝顔さんの心情が現れた歌詞も、大好きでした。






■モモ : 宮沢りえ


序盤は得体の知れなさもあってちょっと怪しげで。
中盤は振る舞いがとてもキュートで健気で。
終盤は行き場を失った想いが熱を溜めて溜めてドカン!
…と、お天気のように目まぐるしく変化に飛んだ存在だったモモちゃん。



まぁ…モモちゃんは…
とにかく可愛いかったなぁ…。
どの声色も言い方も仕草も表情も、可愛らしかったなぁ…。


その可愛らしさに紛れて、
隣の部屋で、いつも聞き耳をたてていたあたしは
とか突然暴露したりして。
おまえ今なんて言った?
…と腹話術さんのセリフを投げかけたくなったりもするモモちゃん。
なにかとキケンな子だなぁモモちゃん…。


そして、

朝顔 「めでたいですよ、お子さんまで出来て」
モモ 「朝ちゃん!」

…から始まるモモちゃんの朝顔さんへの猛アタック(物理的な)は、
公演が進むほどに激しくなっていて。
相 撲 か な ?
という様相を呈していた気もします。
ゴールはどこなのか?って勢いでしがみつくモモちゃんと、
片手に持ったライターを気にしつつモモちゃんを押さえる朝顔さんの戦いは
2人が全力なだけに楽しかったです…フフフ。


ラスト付近で

「あたしは、あんたを連れてけないし」
「嫌いと言ったあんたを連れてけないし」

っていうモモちゃんと、初めて「モモ」と呼びかける朝顔さんが、
今思い出しても胸かきむしる勢いで苦しい。


劇中で何度も何度も口にする「朝ちゃん」と呼ぶ声が好きでした。
それに対して一度だけ「はい」と応えた朝顔さんの声も好きでした。






■夕顔


最後の最後にようやくその姿を現す、朝顔さんの相棒の人形。
朝顔さんが探し続けていた「遠くから来た人」。


最初見た時…
思った以上にすっごく可愛い顔をしてることと、
思った以上に「夕一さん」に近かった(主に髪型)ことにビックリしました。



つか、可愛い顔して尖った発言をする子だったんですね…夕ちゃん…。
まぁ朝顔と夕顔は表裏一体らしいので、うん。


「口の中から、夕顔が咲き伸びる」人形だと朝顔さんが言ってたから、
口から夕顔は咲くんだろうとは思ってたけど…
なんとなく「ツルが伸びて花が咲く」というイメージだったので(物理的に可能かはともかく)
夕顔人形の口から花が直に咲いたのにもビックリしました。


最後に登場して、なかなかの衝撃を次々とだよ夕ちゃん…。






■夕一 : 荒川良々


その前のお付き合いもなくモモちゃんと結婚したり、
突如現れた赤ん坊の存在を受け入れていたり、
引田という強烈な叔父さんがいたり、
朝顔さんの人形の夕ちゃんだったり…
ちょっと考えてみただけで謎が深すぎる夕一さん。
登場しただけで客席を笑わせることもできる夕一さん。


そして舞台上ではモモちゃんとよりも
朝顔さんとのやりとりが多い夕一さん。



夕一さんといる時の朝顔さんは、すぐムキになったり焦ったりして
他の場面よりも子供っぽいような素直なような気がしましたー。
「どちらが怒るとすごいか」合戦は楽しかったなぁ…。


夕ちゃん、僕は、いつも君の声を聞いていたんだ」からの
朝顔さんと人形の夕一さんとの言い合いは、
朝顔さんの叫びの切なさが印象的なんですけど。
思えば夕一さんは結構な勢いでツッコミ入れてるんすね…。
確かに朝顔さんに肉体労働は似合わない。


終盤に、霧を発生させながら(霧吹きで)登場して
ここまで来ても客席に笑いを生み出すこともできつつ、
だって、僕は、まだ誰にも愛されていない夕ちゃんですから
とジワッと寂しい後味も残す夕一さん。
あの去り方は、霧吹きしつつも悲しい…。






■腹話術師3人組(鳥丸+タカシ/水丸+明治憲法/糸丸+ユーヤ)
  : 鳥山昌克・柳憂怜・広島光

鳥丸 「さあ、飲み直そうか!」
水丸 「河岸替えて」
糸丸 「は〜しご〜酒〜♪」

…な、いつも一緒な3人組。


当初は朝顔さんの言動を冷ややかに見た挙句にボッコボコに叩きのめした3人組。
(でも思えばこの人たち朝顔さんの話をかなりちゃんと聞いてたんだね…そしてそれが後のツッコミにいかされる)
しかし朝顔さんから何らかの影響を受けてしまったのか、
危機を前にして腹話術師の仲間意識が芽生えてしまったのか、
途中からは朝顔さんに健気なツッコミを入れるようになった3人組。


水槽を前にした時の絵面なんて、
腹話術師組朝顔と愉快な3人組) VS 引田・河合組
みたいになってて、妙に微笑ましく感じたりもしました…。


特に鳥丸のツッコミの数々が好き。
かの有名な(?)「用意してたーーー!!!」はもちろん、
お前な、そういう発見は、人類を幸せにしないよ」とか。
日常生活で活用したくなる日本語。


あと、第三章序盤にあった朝顔さんとの
分かりません、あなたの言ってることが分かりません
の応酬も好き。
日常生活で活用したくなる日本語。




■引田&河合 : 六平直政・金守珍


登場のインパクトが、ビックリ箱の如く毎度強烈すぎる2人。
手品師なのか芸人なのか夕一の叔父とその友達なのか…
はたまたいっそ妖精か?ってくらい強烈な2人。


第四章で水槽を引っさげて再登場する時の、無駄に神々しい後光と
力の抜けきった顔で披露する踊りがたまらん味わいだった引田
ハキハキと歯切れのいい発言の数々も好きでした〜。


特に好きだったのは、「朝顔、おまえに、物体の心がどこまで分る?」の下り。
朝顔さんに全く優しくない引田だけど、
朝顔さんの考え方に真っ向から挑んでくれてるようにも感じる…。
てか、朝顔さんが水槽内でガボガボやってる時に
俺の名は引田だ!この引田に助けを求めりゃ、いつでも外してやる!
 引田と言え!!
って…。
えーと…なんだろ。友達になりたかったのかな…?



一方。
最も賑々しく喋り立て、最も騒々しく動き回り、
舞台上にカムバックするなり「ほら、来た〜!」と言われてしまう河合
なのになぜか愛らしさも感じてしまう河合。(そして可愛く感じてしまうのがなんか悔しい)
予習も復習もせずに見たら、
きっとこの人がこの舞台の演出家だとは気付けないだろう河合。


河合さんの一発芸コーナー(?)は、見ててハラハラしましたが見事なもんでした…
あの時に口ずさむ歌はどういう基準で決めていたのだろうー。




■バーテン/マスター : 大石継太


風変わりな人しか出入りしないバーで、
ツッコミするのもスルーするのも臨機応変に!
危機管理もお任せ!な頼れるマスター。


困ったお客さんに向かっては「ちょこざいな!」とも言える頼れるマスター。
「ちょこざいな!」とか…いいな…。
日常生活で活用したくなる日本語。




■リカ : 江口のりこ


モモちゃんの妹分のリカちゃん。
夢見がちなモモちゃんに対して、さばさばと現実を突きつけるリカちゃん。


モモちゃんをしっかり気にかけてたり、
結局はモモちゃんに頭が上がらなかったり…
リカちゃんも素敵で可愛らしかったな〜。
そして水槽の中から微笑みながらビニールの城を見つめる姿は美しかった…!




■場面転換時の腹話術師&人形たち
 : 澤魁士・プリティ太田・赤星満・野澤健

「なんてじめじめした陽気だろう」
「おまえ今なんて言った?」
「良かったなぁ…」
「あそこまで登れるか?」

などなどのやりとりが和やかな腹話術師&人形の皆さん。


人形に語りかける腹話術師さんの声がすごく優しくて柔らかくて、大好きでした!
第四章前のシーンでは拍手喝采音が最後に入ったけど、
なんだか本当に拍手したい気持ちでいっぱいでした〜。




■飛び込んでくるカメラ小僧


朝顔さんとモモちゃんのやりとりが行き詰まった瞬間に、
やっほ〜!マスター!!今日だよね?今日だったよね!?
…とウッキウキで飛び込んでくるカメラのお兄さん。


この「やっほ〜マスター!!」が好きで好きで大好きでした…!
空気のぶち破りっぷりが素敵でね!
その後に空気の気まずさに気がついてビックリするのにも、
朝顔さんに軽く詫びるのにもフフッとしました〜。





これだけダラダラ書いてもまだ書き足りないほど、
「ここが!」「あそこが!」と大好きな瞬間がいっぱいだった『ビニールの城』。
またひとつ大切な舞台が増えて、幸せだー。
これからもこういう経験を重ねていけますように!



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